フィジーク競技に出場したいけど、ルールを詳しく知りたい。
各団体のルールの違いを知りたい。
という方に向けて、メンズフィジークの競技ルールを団体ごとに紹介します。
本記事では世界2大フィットネス団体のIFBBアマチュアとIFBBプロの競技ルール(2021年版)を紹介します。
*開催大会によって異なる場合がありますので、出場する場合は大会要項をよく確認ください。
IFBBアマチュアリーグ(JBBF)
カテゴリー
IFBBアマチュアリーグは年齢でシニア(一般)・ジュニア・マスターズとして分類されており、それぞれ身長ごとでクラスが異なります。
また、シニア(一般)より筋肉量が求められるマスキュラークラスも存在します。
- クラスA:170cm以下
- クラスB:173cm以下
- クラスC:176cm以下
- クラスD:179cm以下
- クラスE:182cm以下
- クラスF:182cm以上
- 16〜20歳
- オープン(身長制限なし)
- 21〜23歳
- クラスA:174cm以下
- クラスB:178cm以下
- クラスC:178cm以上
- クラスA:40〜44歳
- オープン(身長制限なし)
- クラスB:45〜49歳
- オープン(身長制限なし)
- クラスC:50歳以上
- オープン(身長制限なし)
- オープン(身長制限なし)
注:シニアより筋肉質体格のカテゴリ
カテゴリー分けは5人以上の競技者がいる場合に適用され、5人未満の場合は可能な限りカテゴリーが結合されます。5人未満のカテゴリーの場合、タイトルやメダルは授与されません。
コスチューム
全てのラウンドで服装はボードショーツ(サーフパンツ)着用で、以下の基準で定められています。
1.材質と色は自由 2.タイトなライクラ素材(アンダーウェア類)のショーツは不可 3.個人スポンサーのロゴをボードショーツに付けないこと(メーカーのロゴは可) 4.裸足(履物は不可) 5.結婚指輪以外の宝石・アクセサリー類は不可 6.ヘッドギアは事前承認で着用可能
ボードショーツについては以下の記事で詳しく紹介しています。
カラー・オイル
ボディカラーリングとセルフタンニング製品を使用することができます。
また、ボディオイルと保湿剤は適度に使用することができます。
禁止事項
・カラーが色落ちするものは使用不可
・光沢のあるメタリックパール、ゴールドカラーリング
・オイルを過度に塗布すること
審査基準
審査基準は肉体的な観点とステージマナーの2項目において設定されています。
・トータルパッケージ(体全体・肌の色艶・ヘアースタイル・表情)で考慮される
・全体のコンディションと個々の筋肉が丸く形の良いバランスのとれたつき方をしているかを重視する
・仕上がりは厳しくあるべきだが、過度に発達した筋肉や絞り過ぎは減点の対象となる
・筋肉をフレックスし過ぎたり、過度に体を誇張することも減点の対象となる
・ステージ態度に落ち着きと品の良さがあるか、その人柄が観客に伝わり、ステージ上で自信を持ってパフォーマンスをしているか
・ウォーキングやターンの動作また、ポーズを決めたときにスポーツマンらしい清々しさが表現できているか
・常にスポーツマンシップとアマチュア精神にのっとったステージマナーに徹しているか
ラウンド
審査は予選→決勝の順に行われ、人数によってラウンド数が変わります。
大会の規模により決勝審査のみを行う場合もあります。
1.ピックアップ審査(予選):15名をピックアップ(15名以内の場合は行わない) 2.ラウンド1(予選):15名→6名にピックアップ 3.ラウンド2(決勝):決勝進出者6名で順位付け
ピックアップ審査(予選)
出場選手が多い場合、各クラスを15名に絞るために予備としてピックアップ審査を行います。
①挨拶の1ポーズをしてからセンターへ移動し、1ポーズをとった後舞台後方に整列
②全員もしくはグループ単位でクォーターターン(左右入れ替え)
③左右に分かれてセンターをあける→クォーターターンで比較審査
ラウンド1(予選)
ラウンド1(予選)ではピックアップ審査で選ばれた15名の選手を順位付します。
15名の内、6位以内に入れば次のラウンド2(決勝)に進むことができます。
① コールされた選手は、挨拶の1ポーズをとったあとLウォーキングでステージ中央へ登場し、フロント→ハーフターン→バックスタンスをとる(片方の手を腰に添える)
②舞台後方に移動して整列
③10名以下の組単位でクォーターターン
④左右に分かれてセンターをあける→クォーターターンで比較審査
⑤比較審査終了後、選手はナンバー順に整列したあとステージを降りる
※Lウォーキングとは:
ステージ左袖から登場し、中央で止まりワンポーズして前に出てフロント・バックのポーズを行います。選手の動線がL字の形を示すことからLウォーキングと言います。
ラウンド2(決勝)
決勝進出者6名の順位付けを行います。
① コールされた選手は、挨拶の1ポーズをとったあとLウォーキングでステージ中央へ登場し、フロント→ハーフターン→バックスタンスをとる(片方の手を腰に添える)
②舞台後方に移動して整列
③6名全員でクォーターターン
④左右に分かれてセンターをあける→クォーターターンで比較審査
⑤比較審査終了後、選手はナンバー順に整列したあとステージを降りる
オーバーオール審査
各カテゴリーごとでクラス優勝者が集って審査するオーバーオール審査が最後に行われます。
シニアメンズフィジーク(最大6人) ジュニアメンズフィジーク(最大4人) マスターズメンズフィジーク(最大3人) 注: マスキュラーカテゴリの優勝者はオーバーオール審査を行わない
各カテゴリーの優勝者がステージに並び、クォーターターンを行い審査されます。
この審査により総合チャンピオンが決定します。
クォーターターン(ポージング)
各ラウンドでは以下のジャッジの指示によりポーズを順番に行います。
1.クォーターターンライト(右向き)
2.クォーターターンバック(後向き)
3.クォーターターンライト(左向き)
4.クォーターターンフロント(前向き)
右に90度ずつ回転してポーズを行うためクォーターターンと呼ばれます。
また、ジャッジの指示に従わないとイエローカード・レッドカードで減点が下されます。
・直立した姿勢で、頭と目は体と同じ方向を向ける
・片方の手は親指以外を前で腰に当てて、片方の足がわずかに横に開く
・もう片方の手は肘を少し曲げて、手のひらを開き、指を真っ直ぐにして沿える
・膝を曲げすぎず、腹部および広背筋はわずかに収縮し、頭を上げる
・右に90度曲がる(ジャッジが左側にくる)
・上半身を少しジャッジの方に向け、顔をジャッジに向ける
・左手を左腰に乗せ、右手は中心線から少し前に出し、手のひらを開いて指をまっすぐにする
・左脚(ジャッジ近い方)は膝をわずかに曲げ、右脚(ジャッジに遠い方)は足を後ろに動かしてつま先で立つ
・直立した姿勢で、頭と目は体と同じ方向を向ける
・片方の手は親指以外を前で腰に当てて、片方の足がわずかに横に開く
・もう片方の手は肘を少し曲げて、手のひらを開き、指を真っ直ぐにして沿える
・広背筋はわずかに収縮し、頭を上げる
・右に90度曲がる(ジャッジが右側にくる)
・上半身を少しジャッジの方に向け、顔をジャッジに向ける
・右手を右腰に乗せ、左手は中心線から少し前に出し、手のひらを開いて指をまっすぐにする
・右脚(ジャッジ近い方)は膝をわずかに曲げ、左脚(ジャッジに遠い方)は足を後ろに動かしてつま先で立つ
参考・引用:
ルール IFBBメンズフィジーク競技ルール2021年版
JBBFメンズフィジーク競技ルール
画像 IFBBメンズフィジーク競技ルール2019年版
JBBFのポージング解説動画は公式Youtubeチャンネルの以下の動画を参考ください。
IFBBプロリーグ(FWJ)
カテゴリー
IFBBプロリーグは身長ごとでクラス分けされており、クラス数は大会により異なります。
年齢によるマスターズカテゴリーや初心者向けのノービスカテゴリーがある大会もあります。
- クラスA:170cm以下
- クラスB:173cm以下
- クラスC:176cm以下
- クラスD:179cm以下
- クラスE:181cm以下
- クラスF:183cm以下
- クラスG:185cm以下
- クラスH:185cm以上
コスチューム
全てのラウンドで服装はボードショーツ(サーフパンツ)着用で、以下の基準で定められています。
1.ボードショーツの長さは膝より上、へそ下2.5cm程 2.タイトなスパンデックス素材(アンダーウェア類)のショーツは不可 3.メーカーロゴ以外のロゴは不可 4.上半身裸で裸足 5.度付き眼鏡(サングラスを除く)は可 6.ボードショーツの左側に競技者番号を着用 7.ムーンポーズ(前屈して臀部および後脚部をジャッジに向けるポーズ)は禁止 8.時計、腕輪、ペンダント、チェーン、ブレスレット着用不可
カラー・オイル
オイル、保湿剤、スキンクリーム、日焼けクリームなどの適度な塗布は可能。
カラー製品の適用は、自然な日焼けトーンで使用可能。
禁止事項
・オレンジ系、メタリック系の色調カラー
・オイルを過度に塗布すること
審査基準
審査基準は肉体的な観点と個性の2項目において設定されています。
・筋肉質と全体的な状態を組み合わせて評価する
・ボディービルコンテストではないので、極端な筋肉質は減点
・個性を観客にうまく伝えることができ、最高のステージ表現と落ち着きが必要
ラウンド
審査は予選→決勝の順に行われ、人数によってラウンド数が変わります。
大会の規模により決勝審査のみを行う場合もあります。
1.ピックアップ審査(予選):10名をピックアップ
2.決勝ラウンド:10名を順位付け
ピックアップ審査(予選)
各クラスを10名に絞るためにピックアップ審査を行います。
①番号順にステージ上を歩き、前後のターンを行う(30秒以内)
②クラス内の競技者の数に応じて、ステージ後方に誘導される
③全体でフロントターンとバックターンを実行
④全体でステージ後方に整列
⑤ジャッジは小グループで番号順にステージ中央に呼ぶ
⑥フロントターンとバックターンを行う
決勝ラウンド
決勝進出者10名の順位付けを行います。
①番号順に個別にステージ上に呼び出され、ステージ中央まで歩く
②前後のターンを実行し、ステージ後方に並ぶ
③ジャッジは競技者を選択してステージ中央に呼ぶ
④フロントターンとバックターンを行う
フロント・バックターン(ポージング)
各ラウンドでは以下のジャッジの指示によりポーズを順番に行います。
1.フロントポーズ(前向き) 2.バックポーズ(後向き)
また、ジャッジの指示に従わない・実行が遅いと減点が下されます。
・片手を腰に添える、両手とも添える、両腕とも下ろすなどでポーズをする
・Vシェイプ(細いウエストから背中へのVライン)がベストに映る自分に合ったポーズをする
・腕や肘を上げすぎると広背筋のVラインが消えるため上げすぎない
・一度ポーズを決めたら何度も動かない
・広い背中とセパレーションが評価
・胸を上げて背中を広げる
・肩甲骨を寄せて僧帽筋の収縮はさせない
・背中は丸めすぎず凹凸感を出す
参考・引用:
ルール IFBBプロメンズフィジーク競技ルール2021年版
NPCメンズフィジーク競技ルール
画像 NPC NEWS ONLINE メンズフィジーク競技ルール
メンズフィジークのポージングについてはこちらの記事でも紹介しています。
また、プロフィジーク選手の食事(減量・増量)については以下の記事で詳しく紹介しています。
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