炭水化物摂取による眠気の理由
筋肉を増やすにはタンパク質の合成が必要で、炭水化物を摂取することによって作られるインスリンがタンパク質合成を担います。
増量期(バルクアップ)には炭水化物を多く摂取してインスリンを分泌させて筋肉を増やしていくことが大切です。
インスリンが体内で作られる仕組みは炭水化物を摂取することで血糖値が上昇し、糖を吸収するためにインスリンが作られます。これにより血糖値が平常に戻ります。
ですが大量に炭水化物を摂取すると急激に血糖値が上昇しインスリンも過剰に分泌されます。
それにより血糖値が急速に下降して眠気を引き起こします。(血糖値スパイク)
これが増量期などに炭水化物を多く摂取することで眠気を引き起こす原因です。
増量期の炭水化物の選択
増量期の炭水化物摂取による眠気を引き起こさないために血糖値の急上昇を抑える必要があります。
そのために以下の方法を行うと増量期でも眠気を起こしにくいです。
- 食物繊維を多めに摂取する
- 脂質を一定量摂取する
- よく噛んで食べる
- 食事回数を増やして1食の量を減らす
- 低GIの食品を食べる
食物繊維を多めに摂取する
食物繊維を摂取することで糖の吸収を緩やかにする効果があります。
また、食物繊維は腸内環境の向上にも効果があり摂取した栄養成分の吸収率を高めてくれるため増量期に摂取した栄養を効率よく蓄えることができます。
食物繊維の摂取量は1000kcalあたり食物繊維14gを摂取することが理想です。3000kcal摂取する人は52gの食物繊維を摂取していれば十分な必要量となります。
脂質を一定量摂取する
三大栄養素の中で脂質は体内への吸収が最も遅い栄養素のため、脂質と一緒に摂取することで糖の吸収も緩やかになります。
脂質は1g=9kcalとカロリーが高いため過剰摂取は体脂肪の増加につながってしまいます。
脂質の摂取量は総摂取カロリーの20%程度に抑えると余計な体脂肪をつけることを避けられます。
よく噛んで食べる
よく噛んで食べることで食事の時間を長くする効果があります。それにより血糖値の上昇も緩やかにすることができます。
また、よく噛むことで消化しやすくなり胃腸への負担を軽減することができます。
増量期には大量の食事をすることになり胃腸の負担が大きくなるのでよく噛んでゆっくり食事することを意識しましょう。
食事回数を増やして1食の量を減らす
食事回数を増やして1食の量を減らすことで急激な血糖値の上昇下降を起こすことなく一定に保つことができます。
1食の量が減るので吸収効率も上がり余計な体脂肪をつけずに増量することができます。
低GIの食品を食べる
GIとはグリセミックインデックス(Glycemic Index)の略称で食後に血糖値の上昇を示す指標です。
ブドウ糖のGIを100として計算され、GIが70以上の食品を高GI食品、56~69の間の食品を中GI食品 55以下の食品を低GI食品として定義されます。
低GI食品は血糖値の上昇を緩やかにしてくれるので食後の眠気を感じにくいです。
また血糖値が緩やかに上昇することで体脂肪をつきにくくなり空腹も感じにくくなるのでダイエット中にもお勧めです。
低GI食品はオートミールや玄米が代表的です。
減量期への切り替え
増量期を長く続けることでインスリン感受性が低下してタンパク質の合成の効果が薄くなってきます。
増量でたくさん食べても体重が頭打ちになったり消化が追いつかなくお腹が空く時間が少なくなってきた場合はインスリン感受性が低下していることが考えられます。
その場合は増量期から減量期に切り替えることでインスリン感受性を高めることができます。
減量期には炭水化物の摂取量が少なくなるためインスリンを効率よく使おうとするためです。
目安としては体重の5%を減量したら再び増量を行うと良いです。
体重80kgまで増量した場合は4kg減らして76kgにして再度増量をしましょう。
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