筋肉を増やすためには適切なトレーニングと栄養摂取が必要不可欠ですが、サプリメントも有効な手段の1つです。
特に筋肉合成を促進する成分や筋肉の疲労回復をサポートする成分が含まれるサプリメントは筋肉増強に役立つとされています。
本記事では筋肥大に効果的なサプリメントについて解説します。
クレアチンやBCAAなどの代表的なサプリメントの特徴や効果について詳しく紹介し、筋肉増強のために取り入れる際の注意点なども解説します。
是非、筋肥大を目指す方や筋トレに興味がある方は参考にしてください。
筋肥大に効果的なサプリメントとは?
筋肥大に有効なサプリメントはプロテインパウダー、クレアチン、BCAA、HMB、グルタミンなどがあります。
プロテインパウダーは筋肉の修復と成長に必要なアミノ酸を補充し、クレアチンは筋肉のエネルギー生産を促進し、BCAAは筋肉タンパク質の合成を促進し、HMBは筋肉の成長を促進し、グルタミンは筋肉の修復と免疫系のサポートに役立ちます。
これらのサプリメントはトレーニング効果を高めるために使用されますが、サプリメントだけで筋肉を増やすことはできません。
トレーニング、栄養、睡眠のバランスが重要であり、サプリメントはそれらを補完するために使用されます。
プロテインパウダー
プロテインパウダーは筋肉の成長と修復に必要なアミノ酸を補充するために使用される栄養補助食品です。
主にホエイプロテイン、カゼインプロテイン、ソイプロテインなどがあり、それぞれの特徴があります。
ホエイプロテインは消化吸収が速く、筋肉の成長を促進するのに最適です。
筋トレ前後に飲むことでアミノ酸をすばやく補充し、筋肉の修復と成長を促進することができます。
カゼインプロテインは消化吸収が遅く筋肉の保護と修復に最適です。
就寝前に摂取することで筋肉の修復を促進し、筋肉を守りながら睡眠をとることができます。
ソイプロテインは牛乳や乳製品アレルギーのある人や乳糖不耐症を持つ人に適しています。
また、ホルモンバランスの影響を受けにくいため女性にとっても利用しやすいです。
プロテインパウダーはトレーニング前後や食事として補完するために使用されます。
摂取量には個人差がありますが、一般的には1日あたり1.6〜2.2g/kgの体重が目安とされています。
ただし、過剰摂取は健康に悪影響を与える可能性があるため適量を守ることが重要です。
クレアチン
クレアチンは筋肉のエネルギー生産を促進するために使用される栄養補助食品です。
ATPを再合成するために必要な物質であり、筋肉の爆発力や回復力を高めることができます。
クレアチンは肉類や魚類に多く含まれており体内にも存在しています。
しかし、筋肉に十分な量のクレアチンを蓄積するには食事からの摂取量では不十分であるためサプリメントとして補充することが一般的です。
クレアチンの摂取はトレーニング前後に摂取することが推奨されています。
また、クレアチンの効果を最大限に引き出すためにはクレアチンの貯蔵期間中に水分をたくさん摂取することが重要です。
クレアチンは筋肉の大きさや強度を増加させるために効果的です。
短期的には筋肉のエネルギー生産を促進することで高強度のトレーニングを行うことができます。
長期的には筋肉の成長を促進しトレーニングの効果を最大化することができます。
BCAA
BCAAは筋肉の成長や修復に必要なアミノ酸の1種類であり、バリン、ロイシン、イソロイシンから構成されています。
BCAAは筋肉の分解を抑制する効果があり筋肉量の増加に役立ちます。
トレーニング前後に摂取することで筋肉の修復を促進し、筋肉痛を軽減することができます。
また、BCAAは筋肉のエネルギー源としても使用されます。
トレーニング中の筋肉の疲労を軽減し、筋肉のパフォーマンスを改善することができます。
BCAAの摂取は一般的にはトレーニング前後に5g〜10g程度が目安とされています。
ただし、過剰摂取は健康に悪影響を与える可能性があるため適量を守ることが重要です。
EAA
EAAはEssential Amino Acidsの略称で、日本語では必須アミノ酸を意味します。
アミノ酸とはタンパク質を構成する20種類の栄養素で、その中で体内で合成できないため食事から摂取する必要のある9種類を必須アミノ酸と言います。
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- フェニルアラニン
- トリプトファン
- ヒスチジン
- リジン
- トレオニン
- メチオニン
タンパク質を構成するアミノ酸は分子が小さいので吸収速度がプロテインより早く、トレーニング中や起床時のアミノ酸補給に適しています。
ペプチド
ペプチドはアミノ酸の2つ以上が結合したものです。(プロテインのWPH製法で精製)
タンパク質を分解するとペプチドの状態になり、さらに分解していくとアミノ酸になります。
人が吸収出来るサイズは、アミノ酸とアミノ酸が2つペプチド結合したジペプチド、アミノ酸が3つペプチド結合したトリペプチドです。
それ以上に大きなペプチド(平均分子量400Da以上)は吸収出来ないため体内で分解されます。
平均分子量400Da程のペプチドは消化吸収のスピードが早いため、トレーニング中や起床時のタンパク質補給に適しています。
デキストリン
デキストリンはいも類やとうもろこしのデンプンを分解(低分子化)したもので、糖質の一種です。
糖質の中で吸収と代謝の効率が一番いいのはグルコース(ブドウ糖)ですが、甘味が強く大量に摂るのは向いていません。
そこで筋トレではマルトデキストリンやクラスターデキストリンが有効です。
マルトデキストリンはデンプンを酵素分解したもので、グルコースと同程度速く吸収されて即エネルギーになります。
クラスターデキストリンはトウモロコシのデンプンを分解し、分子内に環状構造を持つ高分子のデキストリンです。マルトデキストリンと比較して吸収が緩やかで、長時間エネルギーを使う運動に向いています。
フィッシュオイル
フィッシュオイルは魚の脂を意味し、EPA・DHAが豊富に含まれています。
EPA・DHAはオメガ3系(n-3系)脂肪酸で、イワシやサバなど青魚に含まれています。
n-3系脂肪酸は生体内で作ることができないため、生命を維持するために食事から摂取する必要がある必須脂肪酸です。
脂質は1g=9kcalと三大栄養素の中で最もカロリーが高いため過剰摂取は肥満の原因になりますが、脂質が不足することもホルモンバランスの乱れや体調不良につながります。
筋肉を発達させる上で必要なホルモン「テストステロン」は良質な脂質から生み出されます。
クエン酸
クエン酸は筋肉疲労を軽減して筋肉のパフォーマンスを向上させる効果があるとされています。
クエン酸はトレーニング中に発生する乳酸を減らすことができ、筋肉の疲労を軽減することができます。
また、クエン酸は脂肪酸代謝を促進させる効果があるとされています。
脂肪酸がエネルギーとして利用されるため、クエン酸は筋肉のエネルギー源を改善し筋肉量の増加に役立ちます。
クエン酸はトレーニング前後に摂取することが推奨されています。
クエン酸は一般的にサプリメントとして販売されており、粉末やカプセルタイプなどがあります。
摂取量は一般的には1日あたり500mg〜2000mg程度が目安とされています。
ベータアラニン
ベータアラニンは筋肉の疲労を軽減し、筋肉のパフォーマンスを向上させる効果があるとされています。
ベータアラニンはカルノシンという物質を生成するために必要なアミノ酸であり、カルノシンは筋肉疲労を軽減する効果があります。
ベータアラニンの摂取はトレーニング前後に行うことが推奨されています。
一般的に2g〜5g程度が目安とされています。
ただし、ベータアラニンの摂取量が過剰になるとチクチクした感覚が生じることがあるため適量を守ることが重要です。
カルシウム
カルシウムは筋肉収縮に重要なミネラルであり、筋肉収縮に必要な神経伝達物質を正常に機能させるために必要不可欠です。
また、カルシウムは骨の健康にも関係しておりトレーニングによる骨の負荷を軽減することができます。
カルシウムは牛乳やチーズ、豆腐などの食品に含まれていますが、不足する場合には、サプリメントで補うことができます。
一般的に1日あたり1000mg〜2000mg程度が目安とされています。
ビタミンD
ビタミンDは筋肉の力を強化し、筋肉の収縮力を向上させる効果があるとされています。
また、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する効果があるため、筋肉収縮に必要なカルシウムの供給にも役立ちます。
ビタミンDは主に日光によって合成されますが、不足する場合にはサプリメントで補うことができます。
一般的に1日あたり600IU〜1000IU程度が目安とされています。
特定の微量栄養素(ビタミン・ミネラル)だけでなく多くの微量栄養素を満遍なく摂取したい場合はマルチビタミン&ミネラルがおすすめで、微量栄養素のビタミンとミネラルを複合的に配合したサプリメントです。
ビタミンとミネラルの役割については以下の記事で詳しく紹介しています。
シトルリン
シトルリンは筋肉疲労の改善や筋力の向上に効果があるとされています。
シトルリンはアミノ酸の一種で血管を拡張させる作用があり、筋肉に必要な栄養素を効率的に供給することができます。
シトルリンはトレーニング前に摂取することが推奨されています。
摂取量は1回あたり6g程度を目安に摂取することが推奨されています。
また、シトルリンは継続的に摂取することで効果が現れるため、1か月以上継続して摂取することが推奨されています。
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